子なし夫婦はマイノリティと言われていますが、実際はどうなのでしょうか?
およそ5年毎に行われる厚生労働省の調査で「出生動向基本調査」というものがあり、報告書が掲載されています。
「当然見てるけど、子なし夫婦にとっては大した内容ないじゃん」という方!報告書に乗らないデータはご存知ですか?
データ表を見てみると、子なし夫婦についても詳細な内容が含まれていたんです。
ここは子なし夫婦に向けたブログなので、報告書に記載されない統計も深堀していきますよ!
最新調査での子なし夫婦割合は【6.2%】
前年からは少し割合が下がっている
厚生労働省による出生動向基本調査によると、2015年度調査において「結婚持続期間が15年~19年の夫婦出生子ども数」が0人(子なし夫婦)の割合は6.2%という結果になっています。
前回調査が2010年ですが、その際は6.4%だったので0.2%下がったことになります。

100組中6組!管理人の周りにはもう少しいますね…
ただし、1997年~2002年調査では3%台を推移していたところ、2005年調査で初めて3%を超え5.6%になりました。
その後2010年6.4%、2015年6.2%と横ばいになりましたが、調査開始から2010年までは増加を続けています。
全体の結婚持続期間で考えると【13.1%】いる
とはいえ、「結婚持続期間15年~19年」以外にも子なし夫婦は当然いますよね。
全体の結婚持続期間の子なし夫婦の割合は、13.1%になります。およそ2倍になりました。
これは0~4年目は妊活中だったり、子どもは欲しいけど今は二人で…という方が多く含まれるからと思われます。
そこで2005年度・2015年度・2015年度の持続期間別子なし夫婦割合をまとめました!


やはり0~4年が圧倒的です。そこから5年を超えると、ぐっと割合が下がるのが印象的ですね。
これを見ると0~4年を除いた結婚持続期間の中間が15~19年なので、報告書では平均として15~19年を選んだと考えられます。
全体を見ると、2005年度から比べて持続期間5年以上の子なし夫婦数は若干増えつつあるように見えます。
選択子なし夫婦の割合は【3.5%】
半分は選択子なし(DINKS)?
ここで同調査の「理想子ども数が0人」=選択子なし夫婦の数を見ていきましょう。
2015年の調査によると、選択子なし夫婦割合は結婚持続期間15~19年で3.5%、全体平均で3.6%です。





あれ?子なし夫婦の半分が選択子なしってこと?
0~4年の3.5%が、全体平均とほぼ一緒なのが興味深いです…。「今は二人で」ということではないグループですね。
この調査は「理想子ども数」であるため、「子どもを希望したが叶わなかった」子なし夫婦数は含まれていないと考えられます。
ほぼどの期間でも100組中3組は選択子なし、結構いる気がしてきませんか?
そして平均値から期間通して大きく変わらないことより、将来に渡って意外と「選択子なしの後悔は少ない」のかもしれません。
居住地で見る選択子なしの割合
ここからは趣味の領域!もっと深堀りしていきます。
選択子なし夫婦は都市部に多く、地方ほど少ないイメージがありませんか?
要因は様々あると思いますが、データとしてはどうなのでしょうか。まとめたものがこちら!


なんと1位は北海道でした!次いで関東・近畿となっています。やはり都市部が上位を占める結果になりました。
それにしても北海道は7.5%…結構いる気がしますね。
北海道は全体の理想子ども数の平均も2.17人と全国平均を下回っています。
関東は調査総数も多いのですが、それでも4.3%あります。都市部に多い仮説は…合っているのかもしれませんね。
業種で見る選択子なしの割合
続いて夫と妻の職業別で見ていきます。


こちらは選択肢が多く、一部総数が少ないため、数学的な信頼性は少し低くなります…。
妻1位の農林漁業、夫1.2位の無職・アルバイトに関しては総数が低いため、1票が重い結果になりました。



「専門・管理」の妻が低いことは個人的に意外でした。
「キャリアを重視して子なしを選んだ」という理由もわりと多いのかと思っていましたが…あまり関係ないのかもしれませんね。
同居別で見る選択子なしの割合
次は両親・義理の両親との同居別で見てみましょう。


こちらも「両方死亡」は他と比べて総数が少ないため、1票が重くなっています。
とはいえ、理由としてはあり得ますよね。やはり両親のサポートのあるなしで、覚悟が違ってくると感じます。
同居勢が低いのも、産んだ後に対する不安などが少ないなどの理由があるのかもしれません。
ちなみに、総数で多い順は 1.別居の母あり 2.夫方母と近居 3.妻方母と近居 でした。
合計年収別で見る選択子なしの割合
最後は夫婦の合計年収別で見ていきます。


この調査において、一番回答数が多かったのが600~799万円世帯です。
その約半分以下にあたる1~299万円世帯の子なし希望割合が一番高くなっています。
逆に平均である600~799万円が2番目に多くなっており、3番目は1200万円以上世帯!
300~599万円の割合も少ないことから、年収300万円以上の世帯においては、子なし希望の理由として金銭面は関係ないのかもしれません。
今後子なし夫婦は増加する?
ここまでは現時点での、子なし夫婦についてでした。今後はどうなのでしょうか?
選択子なし夫婦は少しずつ増えるかも
同調査で「未婚者の平均希望子ども数」があります。


結婚意思がある、35歳未満の未婚者でまとめました。
微妙な上下はありますが、1998年に比べて2015年は男性5%、女性も2%弱上がっています。
全体としても2015年の調査では、未婚男性については初めて希望子ども人数が2人を割って1.91人になりました。
女性も2.02人と、前年に比べて右肩下がりとなっています。
1人を割ることはないと思いますが、今後も子なし希望の数は増加傾向になる可能性があります。
「子どもを希望している」子なし夫婦は減るかもしれない
2020年10月現在、「不妊治療の保険適応化」に政府が動き出しています。
金銭的負担がのしかかる不妊治療を希望する夫婦にとっては、大きな期待ができるものになりますね。
2015年度調査に「持つつもりの子ども数を実現できない理由」の項目があります。
この調査の「予定子ども数1人」の結果をまとめたグラフがこちらです。


予定子ども数1人=現在子なしとは限りませんが、予定数2人以上になると現在子どもが1人以上いる可能性が入ってくるため、予定数1人に限定しました。
これを見ても、理由として圧倒的なのが「年齢や健康上の理由で子どもができないこと」です。
子どもを希望していても叶わなかった夫婦の多くは、おそらく不妊治療にもチャレンジしているかと思います。
同調査の「不妊についての心配」の項目において、出生子ども0人夫婦の内「不妊を心配している・したことがある」の回答中「治療を受けたことがある・受けている」に該当する割合は55%です。
不妊治療についてはかかる金額の大きさが、治療中止の判断にも影響してきます。
今後治療がもっと受けやすいものになれば、「子どもを希望しているがまだ叶っていない」子なし夫婦の数は、減っていくかもしれません。



ぜひ、そうあってほしいと思います。
まとめ
出生動向基本調査の報告書では、当たり前ですが子なし夫婦への言及はほとんどありません。
しかし回答数を見てみると、色々なことがわかってきて面白いです!
- 2015年度調査における子なし夫婦の割合は「6.2%」
- 選択子なし夫婦の割合は「3.5%」
- 選択子なし割合1位は「北海道」
- 年収300万円以上世帯において、年収面と子なしの相関は見られない
- 未婚者の子なし希望は2005年より増加傾向
- 不妊治療保険適応化で、「子どもを希望する」子なし夫婦は減っていくかもしれない
子なし夫婦である理由は、夫婦の数だけあります。
どんな理由であっても、大切なのは「夫婦が幸せであること」です。
データをまとめましたが、ここに大きな意味はないんです。
データに意味を見出して何かに一喜一憂するのではなく、ただ面白いなと受け取ってほしいと思っています。
子どもがほしくても、いらなくても、考え中でも、なんでもいいんです。
毎日を楽しく生きていくことに違いはないので、夫婦仲良く暮らしましょう(笑)
次回調査は2021年に予定されています。発表後にまたまとめていきますね!